Ain’t No Mountain High Enough / どんなに高い山もあなたと私を隔てる障害にはなり得ない!

レパートリー
Sister act 2 – Ain't no mountain high enough (montage video HD)

「天使にラブソングを2」でコミカルなエンドロールに使われた人気曲!

この曲の作者は「アシュフォード&シンプソン」という名ソングライター/プロデューサーです。レイ・チャールズに提供した「Let’s Get Stoned」で作曲チームとしての頭角を現し、その後はモータウンが専属契約しマーヴィン・ゲイ&タミー・テレルというソウル史上最強のデュオに表題曲の他にも「Ain’t nothing like a little thing」という大ヒット曲を書き下ろし、ダイアナ・ロスには「Reach out and touch」、チャカ・カーン「I’m every woman」などを提供しています。彼ら自身もバブルの真っ最中に「Solid」という大ヒット曲を自ら歌っており、当時は普通にアーティストとして日本でも売れていました。惜しくも2011年にニック・アシュフォード氏が亡くなり名コンビは形の上では解消されてしまいましたが、いつまでも彼らの作品は私達のもとにあります。

「天使にラブソングを2」では素晴らしいハッピーエンドのあと、登場人物が白い背景をバックに登場し、エンドロールでこの曲をみなが歌います。ウーピーに続き、この映画で大スターの仲間入りを果たしたローリン・ヒルがソロを取り、2番では素晴らしい声の持ち主トビー・ライアン君から、これまためちゃくちゃ歌ウマでローリンと二人で「His eye is on the sparrow」を歌った場面が印象的だったターニャ・プロントに続きます。

ブラック・パワーからニュー・ソウルの時代へ

この歌詞を要約しますと

あなたが私を必要だと思ったら、決して迷わないで!必ず私を呼んでちょうだい。その場所がどんなに遠くても私は必ずあなたのもとに駆けつけるから!!強風でも豪雨でも、凍てつくような厳しい寒さであっても私には苦にならない。なぜなら私にはあなたという存在がゴールだから。山がどんなに高くても、谷がどんなに深くても、河がどれだけ大きくても、それは決して私とあなたを妨げる障害にはなり得ないの・・・。

この歌詞は本当にこの時代に大ヒットした他の曲とも言葉の運びや、気持ちの置き方が似ています。

その曲とは、例えばビル・ウィザースの大ヒット曲「Lean On Me」、そしてキャロル・キングが歌い、その後ジェームス・テイラーやダニー・ハサウェイがカバーした「You’ve Got A Friend」など。

ベトナム戦争の前の黒人音楽はソウルやファンクの全盛期。ジェームス・ブラウンが「I’m Black And I’m Proud」で黒人であることの誇りを歌いあげ、パーラメントでは重たすぎるほどのビートに乗せ、黒人の感性を世界中に発信していました。しかしベトナム戦争が泥沼化する中、「本当に自分達は、そして自分達のアメリカという国は誇らしい行いをしているのか?この戦争は本当に正しい行いなのか?」という内省的な歌詞が新しいサウンドに乗せられて歌われます。マービン・ゲイの「What’s Goin’ On」などに代表する「ニュー・ソウル」の誕生です。

それまで世界に向けてこぶしを振り上げ歌っていた歌詞は、自分の家族や友達など近い距離を対象に、正直な気持ちを赤裸々に表現します。そして憎しみあう前に自分達の弱さを認め、支えあおうというメッセージが歌われるようになります。

ジーザスはいつもこの歌詞を私達に語り掛けてくれる

前述の「You’ve Got A Friend」がゴスペルとしてよく歌われることにしてもそうですし、この曲がこの映画のエンディングに使われたのも、やはりこの「いつも私はあなたのそばにいる。決して一人にはしない」というメッセージがイエス・キリストの言葉と共通しているからでしょう。

「天ら部」ではブラック・ミュージックオタクであり、ゴスペルの専門家でもある僕がもっとも得意とするこのような解説も行っていきたいと考えています。何も強要する気はないし、このような背景を気にしなくても心から楽しめるものにしたいですが、知りたい人が一人でもいたら喜んで語りたいとも考えています。ハレルヤ!!

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